今回は、イソトレチノイン(ロアキュテイン)の効果についてです。

イソトレチノインの第一の効果は、何と言っても皮脂を減少させることです。

患者さんには、2~3ヶ月間内服して頂くと、皮脂量が内服前の10分の1か2くらいになりますよと説明しています。 飲み始めてすぐにでも実感される効果で、1週間も内服すれば皮脂は半分以下になるはずです。

過剰な皮脂はニキビができる大きな原因のひとつですから、皮脂の分泌を強力に抑えることができるイソトレチノインはまさに夢のような薬です。

薬の作用機序は、直接皮脂腺に働いて皮脂を分泌する腺組織を委縮させます。 委縮した腺組織は、短時間では回復しません。

通常、20週間の内服が標準的となりますが、この期間に皮脂腺組織が急激に委縮します。このことは、重度の脂性(あぶらしょう)の患者さんの内服前後の肌質を観察していると良く分かります。

内服を中止した後でも、数ヶ月~半年くらいの間は皮脂が多少増える程度でギトギトアブラはなりを潜めています。そのおかげで、一旦治ったニキビが再発しにくく美肌が持続します。

ただし、夏場で皮脂分泌が促進される時期には、1週間に1錠(20㎎)~2錠程度の内服を継続して頂くことをお勧めしております。

 

以下の写真の方は、抗生剤の内服と外用に抵抗性を示す嚢腫型のニキビの患者さんです。

img_2114(2)(2)_convert_20130415175208  (服用前)

IMG_3209_convert_20130415175249  服用後(10週間後)

 

イソトレチノインの内服を10週間続けて頂きまして、ニキビをほぼ全滅させることができました。

年齢的に皮脂がまだまだ多いので、内服はさらに続けて頂いています。

こういった乾燥性皮膚炎の症状が現れた場合は、薬が効き過ぎだと判断できますので、内服するペースを落とす必要があります。

毎日20㎎内服していたのを10㎎に減量するか、20㎎を2日に1回に減らしたりするといいでしょう。人によっては、もっと減らす必要がある場合があります。

薬の増減を考える場合のバロメーターになるのが、先程言いました口唇粘膜の乾燥度合なんですね。

イソトレチノインの内服には、その他にも様々な効果があります。

角質の分化異常を改善させる効果を応用して、

① 毛孔性苔癬(二の腕や背中にできる赤黒いポツポツ)

② 慢性膿皮症(お尻にできる治りにくい炎症を繰り返すおでき)

③ 顔面毛嚢性紅斑黒皮症(北村病:青年に多い耳前部のザラツキを伴った赤黒いポツポツ)

に、劇的効果が認められます。

また、ニキビ跡の凹凸にも効果があります。

ニキビ跡の凹凸は、肌の状態を良く観察すれば分かるのですが、固定したものではありません。

言うなれば、海綿に油を染み込ませてブヨブヨに膨らんだ状態になっているのです。

そこで、イソトレチノインを内服して頂き、皮脂(あぶら)をギュッと絞りますというと、ものの見事にそのデコボコが改善するのです。

患者さんにお渡しするパンフレットには以下の記載をしております。

<イソトレチノインの効能・効果>

① ニキビが早く治る

② ニキビができにくくなる

③ 皮脂が減る

④ 毛穴が小さくなる

⑤ しみが薄くなる

⑥ 凹凸がなめらかになる

しかしながら、こういった効果の高い薬には、必ず副作用がつきものです。

イソトレチノインにも、もちろん様々な副作用があります。

 

次回は、イソトレチノイン服用による副作用について、詳しく述べたいと思います。